中庸
こんにちは、とるてです。
いつもご覧いただきありがとうございます。
みなさんいかがお過ごしでしょうか?気分の良い方悪い方、様々だと思います。今回は中庸という考え方について考察してみました。
中庸とは
中庸という言葉を持ち出すと、なんだか難しそうな気がするかもしれませんが、私が使おうとしている意味は取っつきやすいものだと思います。中国史や儒教に興味のおありのかたや、本を読まれるかたは見たことがあるかもしれません。
辞書を引いてみると、次のように書かれています。
[名・形動]
かたよることなく、常に変わらないこと。過不足がなく調和がとれていること。また、そのさま。「中庸を得た意見」「中庸な(の)精神」
アリストテレスの倫理学で、徳の中心になる概念。過大と過小の両極端を悪徳とし、徳は正しい中間(中庸)を発見してこれを選ぶことにあるとした。
根本は2のような概念かもしれませんが、今回は1の意味で考察していきます。1の中でも「調和がとれている」という部分に最も近いかもしれません。
四書
さて本題へ入る前に、この中庸、儒教の四書というものの1つということでお知りになっているかたもいるかもしれません。
ずばり、「大学」「中庸」「論語」「孟子」ですね。
私も詳しくはありませんが、この中の論語については非常に興味深く、次の本を図書館で借りて読みました。割と読みやすかったのでおススメです。
本題とズレるので掘り下げませんが、論語そのものにもう少し当たりたいと思い読んだのが、次の本になります。
他にも今では読みやすいように訳されたものが多く出ていますので、まずはそちらから読んでみるのも良いかと思います☆小学生のための~とか、ドラえもんの~といった論語本もあるようですよ^^
バランス
さて本題に入ります。
以前の記事で世の中は正と負、陰と陽、表と裏、こういったものの集合で成り立っているということを書きました。
どちらかに偏っている状況では、必ずどこかに歪みが現れます。よって、この世の中を上手く渡る処世術として、これらのバランス感覚を持つということが非常に大切になってきます。
みなさんも経験がありませんか?
押せば押すほど反発があったり、引けば引くほどぽっかり穴が開いたり。分かりにくいですか?では事例を見ていきましょう。
中間点
一番分かりやすいのが、水と湯かもしれません。これらを混ぜ合わせると、ちょうどその中間点の温度になりますよね。大体でいいです。イメージは湧くと思います。
今時のお風呂は違いますが、水と湯の蛇口を捻って、ちょうどいい温度のところを調節しながら探していました。他にも理科の実験で、酸性のものとアルカリ性のものを入れると中和するとか。
このように相対するもの(相対しなくても)を掛け合わせると、その中間点で落ち着きますよね。これを実生活で考えてみましょう。
世の中
人間関係で考えてみましょう。
- 学校で、AがBをいじめています。Bがその性格のため何も言えずにいると、Aは止めるどころかエスカレートしていきます。
- 一方で、Bが反撃してAに感情をぶつけたとしましょう。そうするとAはそこで退くか、はたまた更に反撃するかもしれません。しかし更にBが・・・となっていくと、大抵どこかで落としどころがあるでしょう。あるところに落ち着きます。
これは一例ですのでいろいろ意見はあるかと思いますが、2者の関係で対立した場合、どちらがいいと言えば②でしょう。
このように、心優しかったり弱気だったりすると、どんどん攻め込まれるのが残念ながらこの世の中です。
このため、正しいことは勇気を持って行う、言う、反撃する必要があります。そうしたほうが、②のようにどこか程よい中間点で収まるのです。もちろん状況によりますので、上記の場合、第三者を巻き込むのも手段の1つですね。
歪み
もし上記①の場合、我慢していたらどうなるでしょうか?
みなさんのご想像どおり、いじめがエスカレートしてどんどん激しくなって、それはBの心の病気を発生させるかもしれません。
これは、物理学でいうエネルギーの考え方に似ているかもしれません。
Aからの負のエネルギーをBが溜め込む。Bがそれを発散できなければ、Bの心を蝕んでいくのです。または、Bはそのエネルギーを家族にぶつけるかもしれません。エネルギーはどこかに使わないと、許容量がありますから、爆発してしまいます。
これぞ、歪みです。
このような歪みがあちこちで起こっているから、世の中おかしくなっているのです。歪みを自分の周りから追い出す、解消することが大切ですね。
なあなあ
このような歪みやバランスは、世の中の至る所に散見され、枚挙にいとまがありません。さてここで中庸という言葉と照らし合わせてみます。
調和がとれている。
物事に正負等の2面性があることはこれまで書いてきたとおりですが、それらは上手く調和をとってバランスを保っているのです。普通に生活している今ご自身の環境そのものも、最初から構築されていたものではありませんよね。いろいろあって今の状況に落ち着いている。調和がとれている。
日本人は国民性ともいうべき、先祖から引き継いだ気質をもっています。
それこそが、なあなあ、です。
何か揉め事が起こったとき、起こりそうなとき、そこを白黒はっきりさせるのではなく、なあなあに済ませることがあります。
これは決して悪いことではありません。むしろ誇るべきことでしょう。
悪くいう人もいますが、なあなあ、つまりグレーゾーンを敢えて作ることによって、お互いが妥協する。落としどころを決めているのです。しかも日本人は、それを当たり前に実行することができるのです。
もちろん全員が全員というわけではありませんが、素晴らしいことですよね。このように調和を取るということもできるのです。
さいごに
このような考え方は、うつにも一定の効果があります。
予防効果としては、
- 他人から責められたり追い詰められたとき、自分の意見を勇気を持って伝えることで、ある程度納得した中間点で落ち着く。(伝えたという行為そのものが、自信につながります。)
- 白黒はっきりつけるとスッキリする可能性もありますが、遺恨を残す可能性もあるため、敢えてグレーゾーンという妥協点を探せるようになる。そこへ着地することができれば、悩み過ぎる可能性を少なくできる。
- そもそも世の中はこういうものだ、と思っていれば、仕方ないなと気楽に思えるようになる。中庸の考え方を取り入れ、気づきを与えてくれる。物事を俯瞰してゆったりと構えることができるようになる。
いかがでしょうか?
現状に悩んでいる人、うつで苦しんでいる人、そういった方々はもちろん、世の中を生きていく上での処世術になると思います。少しでもみなさんの役に立てれば幸いです。
皆がなあなあの精神で気楽に過ごすことができますように。(-人-)
最後までご覧いただきありがとうございました。m(__)m
記事作成日 2018年05月21日
最終更新日 2019年07月30日